金唐革紙

金唐革紙

金唐革紙について

金唐革紙は日本の工芸品で、金唐紙(きんからかみ)とも称して、和紙に金属箔(金箔・銀箔・錫箔等)をはり、版木に当てて凹凸文様を打ち出し、彩色を施し、全てを手作りで製作する壁紙です。

欧米の皮革工芸品を金唐革(きんからかわ)といい、宮殿や寺院、市庁舎などの室内を飾る高級壁装材で、唐草や花鳥などの文様を、型を使って革の表面に浮き上がらせ、金泥その他で彩色したものです。

永井家の金唐革紙

金唐革紙

永井家では代々、2階の部屋の天井にはってある物は貴重な物と語られていました。大正7年に嫁いできた祖母は、「私が永井家に嫁いだ時には、天井はキラキラしていた」と話したことを現当主は覚えていましたが、当初それが何であるかはわからなかったと述べていました。

2017年頃、永井家所有の蔵の整理をしていた時に、筒状に丸められた紙のような物を発見し確認すると、2階の部屋の天井にはられた物と同じ文様でした。

その後、永井家記念館設立を考え協議をしている中で、金唐革紙ではないかと話が出て、2022年10月に上田尚氏に確認していただきました。

金唐革紙の補修の様子

天井にはってある金唐革紙をはがして補修作業を行うことも検討しましたが、制作されてから100年以上経過して劣化が激しく、金唐革紙が破損する恐れがあり、はがして補修することは断念し、2024年11月、金唐紙研究所補修チームが現状のまま補修することを基本に、水やエタノール等で汚れを取り除き、穴埋めや敗れを補修し、全面をコーティングする作業を実施しました。

金唐革紙補修の様子